様々な民が入り混じり、互いに素材や技術を磨き育まれてきたカッチの布文化。
そうした共同仕事を現代に蘇らせるべく、CALICOが構想し、現地のNGOのQasabとKhamir、織りのヴァンカル、アジュラック染のカトリーと共同で、「現代の伝統」をつくるために始められたのがラバーリー・プロジェクトです。
インダス文明の時代から伝わるというコットンの在来種カラコットンをヴァンカル(織り師)が織り、CALICOがカトリー(染め職人)にお願いしてお作りしているアジュラック布の残布を使って、デバリヤラバーリーの女性たちがめいめいのデザインでアップリケ・刺繍を施しています。
それらは元来婚礼衣装やダウリー(嫁入り)バッグに施されてきた技術でした。ところが近年、女性たちの中で長い歳月をかけて完成度の高いものを作る傾向が高まり、それが原因でコミュニティ全体の晩婚化が進んでしまいました。そこで長老(女性)たちが話しあい、婚礼衣装にアップリケや刺繍を施すのを自ら禁じました。それでも刺繍は、土地に執着しない砂漠の民にとって祖先や同族と繋がるひとつの手がかりであります。
カッチはアンティーク布のコレクターの中では有名な場所ですが、今作られている一点もの作品ひとつひとつにも、作られた方々のエネルギーが込められております。このあとはお求めいただいた方の手でさらに佳きものに育てていただければと思います。
バッグの持ち手部分には、ひとつひとつ、アップリケ・刺繍を担当した女性の名前がグジャラート語で入っています。
photo by Haruhi Okuyama
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