クリシュナーナガルから鉄道でムルシダバードに向かう。
2時間くらい余裕があるが、頭の半分が神経痛か帯状疱疹のような痛みで、ちょっと横になりたいと思ったが、駅前なのに茶店のひとつも見つからない。
サリー屋の小上がりでサリーを見せてもらいながら、道行く人々を見ながらやり過ごす。
夕暮れの街を行き交う人々は煌びやかで、夢の中の光景のようだ。サリーが以前よりもギラギラしているように感じる。
ジャムダニ(ベンガルサリーの代名詞となった縫取織)を纏う人も増えたような…景気が良いのか。
後から思うと、それらは、ジャムダニに似せて作られたポリエステルの機械織サリーだった。
ずいぶん前から、コットンやコットンシルクのサリーにポリエステルが混じり出しているなと思ったが、今では100%ポリエステルが王道となっているようだった。
村に行っても、コットンのサリーを着る人はほぼ皆無だ。
おそらく、古い綿サリーを身体に巻きつけて、布と一体となっている老女を除いては。
老女の写真は、2019年のもの。
今も変わらず綿サリーを着ているのだろうか。
(2022年)