Village Report vol.10

クリシュナーナガルから鉄道でムルシダバードに向かう。

2時間くらい余裕があるが、頭の半分が神経痛か帯状疱疹のような痛みで、ちょっと横になりたいと思ったが、駅前なのに茶店のひとつも見つからない。

サリー屋の小上がりでサリーを見せてもらいながら、道行く人々を見ながらやり過ごす。

夕暮れの街を行き交う人々は煌びやかで、夢の中の光景のようだ。サリーが以前よりもギラギラしているように感じる。

ジャムダニ(ベンガルサリーの代名詞となった縫取織)を纏う人も増えたような…景気が良いのか。

後から思うと、それらは、ジャムダニに似せて作られたポリエステルの機械織サリーだった。

ずいぶん前から、コットンやコットンシルクのサリーにポリエステルが混じり出しているなと思ったが、今では100%ポリエステルが王道となっているようだった。

村に行っても、コットンのサリーを着る人はほぼ皆無だ。

おそらく、古い綿サリーを身体に巻きつけて、布と一体となっている老女を除いては。

老女の写真は、2019年のもの。

今も変わらず綿サリーを着ているのだろうか。

2022