Bandhaniと鹿の子

8/15。日本は、戦後80周年。インドは、79回目の独立記念日。
巡り合わせで、キヤリコの創立記念日でもあります。

繰り返し人類に蔓延する不安と疑いの靄。
布に人類の普遍を思いながら、遠くの土地、遠くの人々を想像し、
美しき交歓の時代を、ささやかな形で紡いでいけますように。

@fumie_calico 
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“Kanoko” (鹿の子 child deer) is the particular design of Shibori (tie dye). Through “Kanoko”, we tried to imagine and trace the cultural history of "deer" between the continent and our country.

In collaborating with SIDR Craft @bhido.art

SIDR CraftのAbduljabbar Khatri氏が2023年に来日した際に、CALICO : the BHAVANが所在する奈良公園で、鹿に囲まれつつ、さまざまな話をした。

鹿を前にした彼に、”鹿から香りをとるのか"といわれ、衝撃を受けた。

奈良公園にいると鹿は常にその中心で、その位置付けは神の遣いであり、獲る対象としてみたことはつゆ一度もなかった... 南山城村や山の方からきてくれるワイルドな友人たちを除いては。

ところが大陸では、鹿といえばジャコウジカからとれる麝香。それは、古代より神事に使われてきたともいう。
そして、彼らの氏名の、Khatri。日本語のカトリという字名に、鹿取(deer hunter)と香取(scent hunter)があることも、無関係ではないような。不思議な気持ちに包まれた。

そして、彼らが生業とするバンダニ(絞り染)と日本のシボリ。

鹿の子文様とは、より細やかなデザインのシボリだけれども、この面白き空想に託けて、元の鹿の子の背中の紋様に立ち返った作品を作ってみようということになった。

この世はまだまだ分からないことだらけだ。

今日8/15は日本の終戦記念日、そして、インドの独立記念日。

CALICOは、創立14年目となりました。

インドを中心とした大陸の布と、
時代を超えて交歓していく活動を。

引き続きよろしくお願いいたします。



Abduljabbar Khatri氏と鹿。



奈良公園の仔鹿。