GAAM NO OTLO PROJECT
ガームノオトロプロジェクト

APRIL 12, 2020


コロナ禍で落ち着かない日が続きますが、今だからこそ、取り組めることがあると思っています。
その一つが、2018年にうめだ阪急で開催された「インドの手仕事の宝庫 カッチの布」展を企画していたときから構想していた、職人や生産団体の作品をより明確に紹介する場やシーンの展開です。


様々な現地の方々と彼らの仕事が継続・拡大するための商品の企画やデザインについて対話を繰り返すなかで思うことは、アイデンティティにつながる伝統を保つといいながら、よくよく聞くと、新しい製品アイデアを諸々試して終わり、ただそれが刷新されていなかったり、たまたまどこかからやってきたデザインや製品アイデアを維持しているだけでそれを伝統(伝統的)と思っているだけことも多いと感じていました。何が伝統で、何がそうでないか。というのは難しい問いですが、伝統とは常に刷新され、新しい息吹を与えられるべきものだと思っています。


現地のひとが考える「市場化」が的外れなことも多いです。例えば「外国人はソフトカラーが好きだ」あるいは、「藍染が好きだ」と聞くと、ただただ、ボヤっとした品質が定かでないものを大量に作り、その在庫に泣いていたりします。


私たちも学ばなくてはなりません。こちら好みの、市場適合性の高いデザインをお願いするだけでなく、彼らが尊ぶデザインとその真髄に学び、見守り、ときに奮い起こし、基準となるフレームや仕様、品質のアドバイス、責任やリスクの共有を行いつつ、彼らが、自らのアイデンティティにかけて本当に作りたいと思うものを作れるようにしていく、気長な取り組みが必要なのかと思っています。


Gaam no Otlo(ガームのオトロ)は、グジャラート語の村の簡易ベッド(多くの場合ベンチとして使用されます)。どこの村や集落にも、大きな木の下にベッドがあり、そこに主に、男衆が集います。
カッチの布展の際に、来日していた16名の職人・NGOスタッフが、毎日夕方になるとまるで村の中にいるように、低いベンチのようなところに集まり、屯していたところから着想を得たコンセプトです。その後、職人たちは、どこへ行ってもたちまちに屯し、会話をはじめてしまう自分たちの習性に気がつき、自ら笑いながら口々に、Gaam no Otlo…と言っていました。


また、現代のインドには、WhatsappというLINEのような携帯アプリが普及しています。CALICOも、Whatsappで、インド大陸のたくさんの職人・生産団体からコンタクトをいただき続けてきました。
そうした技術が普及する前は、村の溜まり場であるGaam no Otloが、互いの経験や知恵を交換し合う機会であり、村というコミュニティを成立させる重要な社交の場でもありました。それと、全く同じようには参りませんが、Gaam no Otloというページを作ることで、何かこの先の見えない閉塞感を打破しえる希望のような機会をお作りしたいと思いました。


まずは、Gaam no Otloというインスタサイトをβ版で立ち上げ、職人や生産団体と、彼らの作品や仕事の紹介をしていけたらと思います。当面はこちらで今まで入手した以外に、現地から送ってもらう写真をそのまま掲載させていただくことも多いと思いますので、粗くて不明瞭なものがありましたらお赦し下さい。


CALICOが保証するその予約によって、職人たちは安心して仕事を続けていくことができます。手仕事は、そもそも、このような非常下においても、外出せずに家のなかでできることも多いのです。取扱作品について、ぜひみなさまのご意見や、ご要望などもいただけると幸いです。

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